あるまじろ日記

武装はそこそこに、ちいさいものです。

帚木の心を知らで園原の

円地文子先生訳の源氏物語に出会ったのはまず間違いなく今上陛下の御時ではあるのですが、10年くらい前でしょうか。もっとか。教科書に載っていた「桐壺」と「若紫」を読んでおもしろい!と思ったわたしが右往左往して見つけたのがこの文庫本でした。

 

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全六巻だったんだけど、全部一度に買うのは子どものわたしには痛かったので、一巻と二巻だけ買ったのでした。時代背景もよくわからないまま一度読み、とりあえず本棚に並べる日々。大学生になって読み直したらなにこれはちゃめちゃにわかりやすいしおもしろいじゃない!!と熱が再燃したのですが、その頃には書店の棚には見つからず。Amazonでも全巻は揃わないし、古本屋にもないし……と半ば諦めつつ、忘れた頃にまた探す、を数年続けてきましたがとうとう本日揃いました。全六巻。メルカリすごい。

 

なんなら一巻と二巻は2冊ずつになるという贅沢。お風呂で手を滑らせても心の痛みが少し軽くなります。

 

今読んでいる「情事の終わりに」を読み終えたら、改めて一巻から読み直すつもりです。のめり込める物語が手元にあるという安心感。それを支えに生きています。